潰瘍性大腸炎のみなさんへ回腸嚢炎

内科治療体験記

◆人の死

No'12

 5月中旬、北海道は桜の時期が去った。

 そういえば花見の時期に前の前で同じ職場だった運転手のSさんが桜を持ってきてくれた。確か桜の枝は折っちゃダメだったはずだけど、きっと落ちていたのを持ってきてくれたんだろう(都合のいい解釈)

 6月、まだまだ夏とは言えない北海道。中旬終わり頃にはFF8もいよいよ大詰めに入っていた。その頃になるとある病気の人達とよく話をするようになっていて、その病気もプレドニンを大量に使うがUCと違うのは、ある一定期間(1クール)だけ使用するものだった。その人達は他にも色々な薬を使うので全身の毛が抜け落ちる副作用が出る。自分も結構プレドニンの副作用で髪の毛が抜けて少々薄くなったりもしていて、もうお風呂入るたび、ドライヤーで髪を乾かすたびにハラハラドキドキ、ガクガクプルプル、ベッドの上で大量に散らばった抜け毛をかき集めて、『はぁ〜』と溜め息をついたり、『おまいらなんか当てにしてねーよ』と髪に強がってみたり、かなり悩んでいたものだけど、その人達は慣れていて、髪が抜け始めたら『また全剃りだな』と潔さを見せつけられていた。

 その病気の人達は3人いてロビーなんかで3人並んで話をしている後姿を見ると、お坊さんのパジャマパーティーに見えてしまう(なんか怖ぇ〜)。が、いつまでもそう見えていたわけではなく、3人が2人に減っていた。その1人はまだ若く40代前半くらいの人で確かこの前元気だから外泊してくるとか言ってて、その頃から見かけなくなっていたから退院でもしたかなと思っていたが、そうじゃなかった。

 この時病院という場所は人が死を迎える場所でもあることを認識した。前回の入院では2人部屋に居た時、隣のお爺ちゃんが危篤になり個室が空いてなったので一旦大部屋に移り、そのお爺ちゃんが亡くなった後またその2人部屋に戻った事もあった。きっと今自分が寝ているこのベッドでも誰かが亡くなっているかも知れないと思ったけど嫌な気持ちにはなることはなかった。

 そして6月下旬、自分の方は良くなる気配は無く、痛みも下血も酷くなってきたのでプレを増量し、ステロイド注腸も同時にする事になり(その頃はまだステロネマが無かったかも)感染予防のため個室に移る事になった。

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